GrassAccord Sfumino
香りとして感じられない層が、香りの質感をかたちづくります
GrassAccord Sfuminoは、私たちの調香師の技法です。単独ではほとんど香らないほどわずかな量の原料を何層にも重ね、香り全体の質感を繊細に変えます。
Sfuminoという名前
sfumino(スフミーノ)とは、鉛筆画や木炭画で線をこすり、輪郭をやわらげる小さな紙の道具です。イタリア語で「ぼかす」を意味する動詞sfumareに由来し、その語源はfumo(煙)です。
レオナルド・ダ・ヴィンチのスフマート(sfumato)も同じ語源の言葉です。レオナルドは「線や輪郭なしに、煙のように」描くことを求め、『モナ・リザ』では一つひとつはほとんど見えない薄い層を何十も重ね、輪郭を消したことで知られています。
GrassAccord Sfuminoも同じ考えから出発しています。一層だけでは見えませんが、層が重なると輪郭が消え、質感が生まれます。
仕組み
- フォーミュラの中で0.01%以下で使われる原料が、Sfuminoの層です。
- この量では、原料一つひとつを単独で嗅ぎ取ることはできません。その代わりに、アコードとアコードのつなぎ目をなめらかにし、鋭い角を丸め、残り香の表情を少しずつ変えます。
- どの原料を、どのフォーミュラに、どれだけ重ねるかは、調香師がフォーミュラごとに決めます。同じ原料でも、フォーミュラが変われば担う役割が変わるからです。
フォーミュラのどこでご覧いただけるか
GrassAccordの有料フォーミュラPDFには、すべて「GrassAccord Sfumino Technology」という章があります。そのフォーミュラで0.01%以下で使われた原料だけを集め、原料ごとに、なぜ加えたのか――香りのどの部分を、どのように変えるのか――を説明しています。
ご自身でお試しください
- 1同じフォーミュラで2本作ります。1本は記載どおりに、もう1本はSfuminoの章にある原料をすべて除いて作ります。
- 22本とも同じ条件で熟成させます。
- 3それぞれをムエットに付け、最初、30分後、数時間後に香りを比べてみてください。
違いはわずかです。何が変わったのかを正確に言い表すのは難しいものの、おそらく片方がよりなめらかで、まとまりのある香りに感じられるでしょう。その繊細さこそが、Sfuminoの働きです。
よくあるご質問
- 0.01%で本当に違いが出るのですか?
- この量では、原料一つだけではほとんど気づくことができません。Sfuminoは、そうした層をいくつも重ねたときの効果を用います。上の比較でご自身で確かめていただくことをおすすめします。
- これらの原料を省いてもよいですか?
- はい。香りの大きなかたちは変わりません。ただし、調香師が意図した質感は、Sfuminoの層をすべて含めたときの香りです。入手が難しい原料がある場合は、フォーミュラPDFの代替原料のご案内をご覧ください。
- なぜ名前を付けたのですか?
- ごく少量の原料がフォーミュラにたくさん並んでいると、なぜそこにあるのか疑問に思われるかもしれません。それらが偶然ではなく、意図して重ねた層であることを、はっきりお伝えしたいと考えました。
熟練調香師たちの部屋から、学ぶ人の机へ
ごく少量の原料を重ねて香りの質感を整える方法は、数十年にわたり、経験豊かな調香師たちの間で、言葉と手によって受け継がれてきました。フォーミュラには残っても、なぜそこにあるのかが説明されることはほとんどない、経験の領域でした。
GrassAccordはこの方法にGrassAccord Sfuminoという名前を付け、調香を学び始めたばかりの方でもたどれるよう、フォーミュラごとに何をなぜ加えたのかを公開しています。指先にしまわれていた技術を、学ぶことのできる技術へと変える取り組みです。
GrassAccordは、この原理を自ら発明したとは申しません。ただし、名前を付け、誰もが学べるようわかりやすく説明し、広く伝えることは、私たちの知る限り、世界で初めての取り組みです。